はじめに
私の人生の師匠である小宮一慶さんの「「超」一流コンサルタントが実践する情報を「知恵」に変えるトレーニング」を読みました。
読んだ本
どんな人におすすめか
- マクロ経済を勉強したい人
- 正しい生き方を学びたい人
要約
- 「知恵=考える力」が求められている時代
- 情報を「持っているだけの人」から情報を「使える人」へ
- 情報分析のコツは、以下3つ
- 1.基本的な情報
- 新聞などで出てきた情報を深く理解するために必要な情報
- 常に移り変わる最新の情報
- 2.基礎的な知識
- 普遍的な定義や考え方
- 一度身につければ、多くが一生使える
- 3.思考力
- 有機的に結びつける力
- 仮説を立てる力
- 1.基本的な情報
- 基本的な情報を得るために
- 最低限、新聞に書いてあることは理解する
- 新聞は1面から読む
- 自分の興味関心を世の中の関心に合わせる
- 新聞の読み方(最低限ここまでは!)
- 1面トップ記事・見出し・リード・本文
- 1面トップ記事以外の見出し・リード
- 各面の見出しとリード
- 自分が世間から「評価されること」を勉強する
- 基礎的な知識を学ぶために
- 自分の仕事のことを学ぶ
- 流行ではなく目の前のことを学ぶ
- 独学でも十分に基礎的な知識は身につく
- 思考力を高めるために
- ノウハウ本よりも難しい本を読む
- 読んだら必ずアウトプットする
- 勉強する癖をつける
- あいまいな言葉は、できるだけ数字に置き換える。数字というのは究極の具体化
学んだこと 【ケース1】ROEから政府の思考を予測する
テーマ
- 新聞のリード文でROEがよく出てくるのはなぜか?
基礎的な知識
- ROE=純利益/純資産
- ROEとは、株主から預かったお金でどれだけ稼いだかの指標
基本的な情報
- 日本版スチュワードシップ・コードと、コーポレートガバナンス・コードは、ROE重視から生まれた
- 8%まで引き上げ
- 今、日本で1番国債を持っているのは日銀
- アベノミクスの三本の矢
- 異次元緩和
- 機動的な財政出動
- 成長戦略(★ココ!)
思考力による仮説
アベノミクスはROEを利用して、起業に成長へのプレッシャーをかけている?
学んだこと【ケース2】東京五輪後より「前」が危険
テーマ
- 「2020年まで日本は好景気」は本当か?
基礎的な知識
- GDP=消費+投資+政府支出+純輸出
- 名目GDPはもともと500兆円くらい
- 1991年から20年上がってない(失われた20年)
- 2015年から算出基準を変えて研究開発費が入るようになった
- GDPの6割は消費
- 消費税が上がると消費は落ち込む
基本的な情報
- 2002〜2007年の日本経済の成長は、諸外国の好景気で主に中国の輸出が伸びたお陰
- 米国の住宅バブル
- サブプライムローン
- EUの好景気
- 通貨統合により、イタリア、スペイン、ギリシャなど弱い通貨の国がユーロを使えるように
- 車の購入が増えてドイツの輸出増
- スペインで住宅バブル
- 中国の輸出増
- 米国とEUの好景気で輸出が伸びた
- 米国の住宅バブル
- EUの通貨統合の恩恵は幻想だった
- 2017年に消費増税が予定されている
- 消費増税は19年10月に再延期
思考力による仮説
- 2020年まで日本が経済成長を維持し続ける可能性は低い?
- アベノミクスで景気が良くなったと言うためにGDPの算出基準を変えた?
学んだこと【ケース3】異次元緩和とゆうちょの預金限度額
テーマ
- アベノミクスの異次元緩和に出口はあるか?
基礎的な知識
- 自己資本比率とは、純資産/資産
- 国際統一基準(バーゼル3)で8%と定められている
- 満たさなければ国際的な銀行業務ができない
- ゆうちょには1人あたりの預金限度額がある
- 1000万円から1300万円になった
- ゆうちょが保有していた国債残高は138兆円あった(2012年時点)
- 異次元緩和で日銀が発券している日銀券以上の国債を保有しているのは異常な状態
- 日銀券の発行残高は約95兆円
- 日銀は年間80兆円のペースで国債を買っていた
基本的な情報
- 異次元緩和後、日銀が抱える約300兆円の国債を商業銀行が引き受ける可能性は低い
- 緩和の出口=大量の国債を売る=国債価格の低下(金利の上昇)=自己資本比率の低下
- ゆうちょの預金限度額を3000万円に引き上げる議論をしている
- 預金限度額が3倍になれば、138兆円×3倍の国債が保有できる可能性がある
- 商業銀行は表向き限度額引き上げに猛反対しているが、本音は違う
- 誰かが引き受けないといけない
- 米国に続き、欧州も量的緩和を2018年中に終了へ
思考力による仮説
- ゆうちょの預入限度額が引き上げられれば、日銀の国債を引き受けられる?
- 米国、欧州の流れと逆行している日銀により、円キャリー取引でさらに円安になる?
学んだこと【ケース4】日銀総裁の隠された思惑を考える
テーマ
- なぜ日銀はインフレ率を2%にするのか?
基礎的な知識
- 期待インフレ率
- 物価が上がりそうだという期待
- 物価上昇→金利上昇→国債価格の低下
- 物価が2%上がると国債金利も2%上がるはず
- 物価の上昇はお金の目減り
- 金利水準が元のままだと保有する国債の価値が下がるため
基本的な情報
- 民主党政権時は1%が目標だったが、デフレだった
- 2013年から日銀は2%のインフレ目標を導入している
- 今のところ、実質的に日銀は2%のインフレ目標を達成できていない
- 政府予算97兆円のうち、国債の利払費は約10兆円(2016年度予算)
思考力による仮説
- 日銀はインフレ率を2%にする気はない?
- インフレ率が2%になると、政府と日銀は大損害を被る?
- しかし、デフレ脱却のためにインフレ率がマイナスにならないように、2%の目標はこれからも続く?
まとめ
ということで、今回は情報を「知恵」に変えるトレーニングを読んだ記事でした。本を読んでから、改めて文章でアウトプットすると、時間はかかりますが考えが整理されていいですね。本書は2016年に出た本なので、2018年の今はどうなんだろう?と思いつつまとめました。
本で学んだ仮説を立てる力を使って、世の中を眺めていきたいと思います。また、本書を読みながら自分の仕事について考えたことについては、長くなったのでまた別の記事で書きたいと思います。