はじめに
完全に旬を逃しましたが、6/1に参加したAWS Summit Tokyo2018の3日目を振り返ります。
セッション中の写真撮影は禁止だったため、文字でのレポートになります。
オープニングトーク
基調講演は参加者が多かったため、サテライト会場からの参加となりました。サテライト会場も満席でした!
まず、以下について語っていました。
- AWSは昨年度比49%の成長
- 顧客が欲しいサービスを作り続けている
- Builderは開発者だけではない
顧客が欲しいサービスを作り続けるという、いわゆるマーケットインの考え方はAWSの特徴の1つだと思います。抜きん出た技術を提供するプロダクトアウトなGCPとは異なる点だと思っています。
新しいビジネスの事例
ルンバの事例を紹介していました。身近な掃除機もAWSで動いているんですね。
- iRobot
- AWS Iot+Lambdaで実現
開発手法をもっと簡単にしていきたい!
続いて、いかにAWSを使う人たちを楽にするかという話が続きます。
- コーディング
- Cloud9
- 環境構築は不要
- 分散型のチームで簡単に使うことができる
- CodePipelineや、CodeDeployなどとも連携する
- 本番稼働
- AWS X-Ray
- lambdaの中で何が起きているのか?などを見ることができる
- Transactionの深いところまで見ることができる
- ツールに入ってくるデータを見ることができる
- AWS Managemend Service
- AWSがSIerの役割を果たす
- IAMロールをどう割り振るか?、directconnectをどう使えばいいか? などをAWSが考える
- AWS X-Ray
AWSは、よくあるユースケース・ベストプラクティスをサービスとして提供して行くということを強調していました。
AWSの機械学習について
米国本国の事例紹介です。
- NET FLIXで使用されている
- レコメンドの仕組みを作った
- どれだけキャパシティが必要になるかわからなかった
- オンプレからAWSへ移行して解決
- ピンタレスト
- コンテンツの分類
- ユーザがどんな写真を上げているか?
- Amazon自身、長きにわたる経験がある
- Amazonのレコメンド
- フルフィルメント
- Alexa
- Amazon Go
- 将来の小売りはビデオや画像を使った仕組みになっていくだろう
Amazonの強みは、自分たちで使っている環境をサービスとして提供できるところだと思います。Amazon GOで培ったノウハウは、間違いなく数年後にAWSで提供されるでしょう。小売業界の無人化も一気に加速しそうです。
一部の人だけでなく、全員が使えなければいけない
AWSの機械学習を簡単に使えるようにするために、SageMakerの紹介をしていました。ついに東京リージョンにやってきました!
- Frameworkとインターフェース
- すべてオープンソース
- 私たちは何に時間を費やすのか?
- SageMaker
- 構築
- Jupiternotebookを組み込んだ
- トレーニング
- ワンクリックでできる
- パラメータの最適化
- デプロイ
- ワンクリックのデプロイ
- オートスケーリングを備えたマネージド型のホスティング
- 構築
- SageMaker
最後に、今日から東京リージョンでも使えるようになった!!!と発表がありました。Chainerも使えるようになったとのことなので、今後AWSで機械学習のサービスがますます作りやすくなりますね。
事例紹介1:dely株式会社
Day3基調講演1人目のゲストスピーカーは、dely株式会社さん。創業時からAWSを使い続けてきたそうです。
- レシピ動画サービスkurashiru
- スタートアップ支援の無料枠があったのでAWSを使用
delyの課題
dely社の課題と、SageMakerで解決したという話に続きます。
- 人それぞれの好みに合ったレシピを提案できていなかった
理想はパーソナライズされた提案
- SageMakerの導入を決定
- 機械学習のエンジニアは1人のみ
- 1.5ヶ月でリリースできた
- SageMakerの導入を決定
実装1:K-Meansによるモデル
- 実装2:協調フィルタリング
- 実装3:コンテンツプールの最適化 - 未視聴レシピに入れ替える
delyの今後の展望
- 食材の余りやすさを考慮したレシピ提案
- Built-inアルゴリズムの導入
その他の機械学習サービスの紹介
他にも、以下のサービス群が紹介されていました。個人的には、画像認識や日本語での自然言語処理はGCPやAzureが優れていると思います。AWSの今後に期待です。
- Rekognition
- Image
- Video
- スピーチとヒアリング
- Polly
- Lex
- テキスト処理
- Amazon Translate
- Amazon Comprehend
事例紹介2:リクルートテクノロジーズ
Day3基調講演2人目のゲストスピーカーは、リクルートテクノロジーズさん。会社としては400ものAWSアカウントを使っているそうです。オンプレのログをクラウドに持っていったらどうなるか?というお話をされていました。
もともとAWSでBIの仕組みを構築していたものの、QuickSightが基調講演の前日に、東京リージョンで使えるようになったため、1日でアプリを作り直したそうです。間違いなく日本のファーストユーザw
事例紹介3:エイチーム
Day3基調講演3人目のゲストスピーカーは、エイチームさん。事業会社としてサービスの改善にエンジニアを集中できるようにするために、Well-Architected Frameworkをどう使っているか?というお話をされていました。
単一障害点を無くした結果、エンジニアのインフラ障害対応のコストが1/5になったそうです。
事例紹介4:ソニー・インタラクティブエンターテイメント
Day3基調講演4人目のゲストスピーカーは、ソニー・インタラクティブエンターテイメントさん。聞きなれない会社だなあと思っていたら、16年に社名を変更したそうです。プレイステーションネットワークの設計思想とサーバレスについて話をされていました。
ビジネスのコアドメインを考えて技術選定を行った結果、AWSに任せられるところは任せる、自分たちにしかできないことに集中するという姿勢は、クラウドプラットフォームを使う上でとても大切なことだと思います。
サーバレスは使いやすいところから現場手動のボトムアップで行い、コンテナはトップダウンで組織を総動員して実施されたとのことです。規模が大きいのでエンジニアが片手間でやるのは難しく、コンテナ化を推進する専用の組織を作ったという事例は、自社の参考になりました。
ちなみに、プレイステーションネットワークのトロフィー機能は、サーバレスで動いているそうです。
まとめ
とても盛りだくさんの内容で充実した基調講演でした。今回、私が学びたかったことは、サーバレスとNoSQLだったため、ソニーさんの事例は大変勉強になりました。サーバレスのメリットは以下4点に集約できると思います。
- サーバレス
- 開発者の生産性が向上
- ビジネスロジックに集中できる
- イベント指向型の開発
- 容量の無駄が発生しない
実務でもサーバレス化を進めていきたいと思います!