紙一重の積み重ね

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【未来のミライ感想】どんな家族にも歴史がある。ご先祖様の些細な行動の積み重ねの結果が自分なのだ。

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©未来のミライ公式サイトより引用

はじめに

押井守監督の未来のミライを見てきました。ネタバレを含む感想を書いているため、視聴予定の方はご注意下さい。また、記憶をたよりに書いているため、詳細が誤っている可能性もあります。ご了承ください。

未来のミライとは

以下の公式サイトをご覧ください。

mirai-no-mirai.jp

全体的な感想

微妙でした。大きな事件が起きるわけでもなく、淡々と物語が進むことが原因だと思います。細かいことは考えずに、感じる映画だと思いました。4歳児の子供の行動に理由を求めてはいけません。家族には歴史があり、ご先祖様の何気ない行動が積み重なって、今の自分に繋がっているということを描いた作品です。NHKの番組「ファミリーヒストリー」のような要素が入っています。

ただ、見る人によっては評価が分かれる作品かもしれません。 大多数の人は、押井守監督の夏の作品で、主題歌が山下達郎さんということもあり、サマーウォーズのようなドキドキハラハラするような話を期待すると思います。サマーウォーズ的な話を期待して見ると、がっかりするかもしれません。

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一方、子育て中の人が見ると楽しめる部分もあると思います。子育て中の夫婦あるあるがいろんなとこに散りばめられていて、 生々しい作品だなと感じることができました。特にお母さんがイライラして発する余計な一言が、私の心にグサグサ突き刺さりました。そこまで言わなくてもいいじゃない!

子育て中のお母さんが本作品を見たら、おそらく、父親のダメっぷりにイライラすると思います・・・。

以下、細かい感想です。

バックトゥザフューチャー的な話ではない

私は予告も見ず、事前情報0で見たため、最初は家族の誰かに不幸や事件があり、それを未来からやってきたミライちゃんが、現在のくんちゃんと一緒に解決する話なのかなと思っていました。

例えば、くんちゃんの何気ないいたずらが原因で、お父さんとお母さんが不仲になり、ミライちゃんが生まれない未来を防ぐためにやってきた、とか。(まんまバックトゥザフューチャーですね)

実際は、お兄ちゃんであるはずのくんちゃん(たぶん4歳ぐらい)が、わがままを発動して周りの家族を「好きくなぁい!(嫌い)」と言い出した時に、未来のミライちゃんがやって来て、諌める話です。

他にも、過去のお母さん(たぶん4~5歳)や、過去のひいおじいちゃん(戦後の若かかりし頃)、未来のくんちゃん(18歳くらい?)と出会って、くんちゃんが人間的に成長するという話でした。

突然現れる犬の王子様と犬に変身するくんちゃんの不思議

妹のミライちゃんが生まれ、家に帰ってきてから、お父さんとお母さんが新生児のミライちゃんにかかりっきりになります。自分に構ってもらえなくなったくんちゃんは、散らかしたり、新幹線でミライちゃんを叩こうとしたり、お母さんの気を引こうとしますが、結果的に怒られて泣きべそをかくことになります。泣きわめくくんちゃんの前に、「その感情は嫉妬だ」と教えてくれる王子様風の髭面のおっさん。 ・・・え?・・・誰?

f:id:yokoyantech:20180815155117p:plain ©未来のミライ公式サイトより引用

それは愛犬のゆっこでした。(なぜ人間の姿で人の言葉をしゃべるのかの説明はない)愛犬のゆっこは言います。「くんちゃんが家にやって来るまでは自分がお父さんとお母さんの愛情を一身に受けていた」と。 その後くんちゃんはゆっこのしっぽを引き抜いて、自分に刺した結果、なんと自分が犬になります。 犬になって家中を走り回ったくんちゃん。この映画はどういう作品なんだろうかと疑問に思っていたら、画面が急にくんちゃんが眠っているシーンに切り替わります。(特に説明はない)

なぜ未来のミライちゃんは現代にやってきたのか?

犬のゆっこが人型に変わるという超常現象?が発生した後に未来からミライちゃんがやってきます。 過去に干渉するわけですから、それなりの理由があると思ったのですが、なぜ未来からやって来たのか、それらしい理由は出てきません。

f:id:yokoyantech:20180815155237p:plain ©未来のミライ公式サイトより引用

強いて言えば、ひな祭りの雛人形をしまうためにやって来た、です。しまう日が1日延びる毎に、婚期が1年延びてしまうという言い伝えに抗うために未来から突然やって来ます。

・・・え?・・・それだけ??

その後、くんちゃん、未来のミライちゃん、犬のゆっこ(人型)の三人で雛人形をしまうために奮闘します。

ちなみにお母さんから雛人形をしまうのお願いされていて、仕事に集中するあまり忘れていたお父さん。くんちゃんに話しかけられても、パソコンを見ながら生返事をするのは本当にやめたほうがいいと思います。お母さんにやったら確実に激怒されるやつです。

そもそもどうやって時間を遡っているのか

物語の根幹に関わる事ではないのか、そういうことは一切明かされません。強いて言えば、庭の木がくんちゃんや未来のミライちゃんの一家の歴史のインデックスであるということが明かされます。後半で急にサマーウォーズのOZコンピューターのような、歴史のインデックスが登場するため、後付感が否めません。

未来のミライちゃんや、未来のくんちゃんが過去と未来を気軽に行き来しているようにも見えるので、木の陰に行ったら時間が遡れたりするのかもしれません。

同じ時間軸に同一人物は存在できないの?できるの?

未来のミライちゃんが出てくると、現在のミライちゃんが消えるという設定が出てきます。なるほど。同じ時間軸に同一人物は存在できないようです。タイムトラベル的な設定なのでしょう。

しかし、後半で未来のくんちゃんと、今のくんちゃんが出会い、「好きくなぁい!じゃない!」「好きくなぁい!じゃないじゃない!」と延々会話をするシーンが出てきます。んんん?設定に一貫性がないのが残念でした。

結局、ミライちゃんの手のアザはなんだったのか?

ミライちゃんは生まれたときから手にアザがあります。未来のミライちゃんにもアザがあり、気にしている様子。きっとこのアザが今後の事件やタイムトラベル的な伏線なのかな?と思ってみていましたが、本当にただのアザでした。未来のミライちゃんと同一人物である、ということを示すためのマーキングだったようです。

これは子供の妄想を映像化したファンタジーなのかもしれない

子供はよく、突拍子もないことを言ったりします。小さい子供から見れば世界は全てがファンタジーで、そこに理屈や理由はありません。劇中でもお父さんに未来のミライちゃんに会ったと報告するシーンがあります。お父さんも会ってみたいなと答えますが、真剣に聞いているようには見えません。色々疑問がある映画ですが、くんちゃんの妄想を映像化したファンタジーなのかもしれません。

もしかしたら小説で補完されているのかもしれない

この辺の疑問は、もしかしたら細田守監督の小説版で補完されているかもしれません。

未来のミライ (角川文庫)

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よそ様の子育て風景を見るのはしんどい

よそ様の子育てなので、あれこれ口を出すのは不粋だと思いつつ、この記事を書きます。

残念ながら、くんちゃんはよそ様の子であるため、見ていてイライラします。 4歳児だから仕方ないとはいえ、少々聞き分けがないように見えます。ただ、これは両親が悪い。両親揃ってくんちゃんを放置しすぎです。

f:id:yokoyantech:20180815155421p:plain ©未来のミライ公式サイトより引用

「くんちゃん構ってあげられなくてごめんね」と一言あって、くんちゃんを抱きしめるだけでも全然違うのになあとイライラしながら見てました。

お母さんもくんちゃんの寝顔に対して、「くんちゃんは私の宝」とほっぺたにキスをするシーンがあります。それならまず、起きているくんちゃんを抱きしめてあげることが大事だと思います。親が一方的に思っているだけでは子供に伝わりません。ちゃんと言葉にして、伝えてあげないと。

f:id:yokoyantech:20180815155322p:plain ©未来のミライ公式サイトより引用

お父さんのテンパりっぷりは、二人目とは思えません。少しずつ親も成長していく過程を描いているにしても、ダメなシーンが多すぎるように思いました。

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ただ、一人目が小さい時に二人目が生まれるということはこんなにも大変なのだということも描かれていたので、その点は今後の人生の勉強になりました。実際、一人目の子を気遣う余裕がなかなかないのかもしれません。私も当事者の立場なら似たような状況になるかもしれません。

「仕事もする中でベストを尽くそうとは思ってる」

「また怒ってしまった…。」

「そこそこでいいよ。最悪でなければね」

というお母さんの台詞も、子育てあるあるで、とても共感できると思います。

ひいおじいちゃんがイケメンすぎた

くんちゃんと一緒に馬に乗ったり、バイクに乗ったり、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの馴れ初めを見たり、 戦争中に死にかけている描写があったり、家族の中でも特に戦争を乗り越えたひいおじいちゃんの描かれ方が多かったように思います。

f:id:yokoyantech:20180815155205p:plain ©未来のミライ公式サイトより引用

ちなみに、声は福山雅治さんです。見た目も声もイケメン!

14年後の東京はああいう風になっているのかもしれない

物語の後半で、おそらく14年後だと思われる未来のくんちゃんと磯子駅で出会います。それから京浜東北線で東京駅に行きます。作品の舞台が現代の横浜だと仮定すると、2032年の東京駅ということになります。電光掲示板は今よりさらに多言語で表示され、駅構内も広く、リニアモーターカーと思われる乗り物が乗り入れていました。丸の内のビル群はそこまで変わってなかったように見えました。

くんちゃんは東京駅で迷子になり、自分が何者なのかを明確に言えず、ひとりぼっちの国行きの新幹線に乗せられそうになるところを未来のミライちゃんに助けてもらいます。このシーンだけ、無駄に怖いです。

未来のくんちゃんは助けに来ないのかと思いましたが、きっと同じ時間軸に同一人物が存在できないのだろう、ということで納得しました。ただ、未来のミライちゃんが迎えに来た時、なぜ空を飛ぶのか、くんちゃんが見ているこの東京駅(世界)は何なのか、など細かいツッコミどころがたくさんありますが気にしないことにします。

自分には歴史があるのだと感じれることはとても良い

自分が何者であるのかということは思春期によく考えると思います。自分という存在が何であるのか、言語化することは難しくて、ふわふわする感じがします。そんな時、自分の家族の歴史をはっきりさせることができれば、自分がどういう経緯でここに存在しているのかが分かることができます。まさに NHK のファミリーヒストリーです。

自分が誰の子で、父親が誰であるのか、母親が誰であるのかを明確にしなければ、家族の歴史の中での立ち位置をはっきりさせることができません。庭の木がインデックスだと未来のミライちゃんが言っていましたが、あれば家族の歴史であり家系図でもあるのではないかと思いました。

未来につながる些細な行動

戦争中に船が大破し、生き延びるために泳いだひいおじいちゃん。その時に足を悪くしてもなお、ひいおばあちゃんに「かけっこに勝ったら結婚してくれ」と求婚して、無事に結婚します。

もし、あのとき、ひいおじいちゃんが生き延びなかったら。

もし、あのとき、ひいおばあちゃんが遅く走らなかったら。

今の私たちには繋がっていない。と未来のミライちゃんは言います。

どんな家族にも歴史があり、ご先祖様の些細な行動の積み重ねの結果が、今の自分たちなのです。

2018年のあの時、くんちゃん、未来のミライちゃん、人型のゆっこの3人で 雛人形を片付けたことで、未来のミライちゃんの婚期が伸びることもなく、ミライちゃんが好きな人と結ばれて家族の歴史がまた紡がれていくのでしょう。

おわりに

ということで今回は未来のミライの感想を書きました。サマーウォーズは家族全員で 世界の問題を解決するという作品でしたが、今回の作品は家族の歴史の中のくんちゃんにフォーカスが当てられているため、残念ながら作品としてはそこまで面白いとは言えないと感じました。

とはいえ、家族とは何か、家族の歴史とは何か、を考えるいいきっかけになりましたので、お盆の帰省時期に見ることができてよかったです。